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大場が悲願の日本王者に/ボクシング

- 挑戦者大場(左)が王者三谷を追い込む
<ボクシング:日本バンタム級タイトルマッチ>◇24日◇名古屋国際会議場◇2000人
WBC世界バンタム級12位大場浩平(23=大一スペースK)が、悲願のチャンピオンベルトを奪取した。日本同級王者三谷将之(23=高砂)に挑み、スピードと手数で三谷を圧倒。3-0の判定で勝利し、戦績を22戦21勝(10KO)1分けとした。奔放なスタイルで「天才」と言われる中部ボクシング界最大のホープが、世界への足がかりをつかんだ。
勝者のコールを聞くと、大場はジッと目を閉じた。口を真一文字に結んでも、こらえたはずの涙があふれてくる。リング上でのインタビューで「(涙ではなく)汗です」と強がってみせたその声も震えていた。「未完の天才」大場がついに王者の称号を手にした。
パワーでは三谷。スピードとテクニックでは大場。戦前の下馬評も真っ二つに分かれたチャンピオンカーニバル屈指の好カードだった。序盤からスピードと手数で三谷のパワーを封じ込めた。5回、右ストレートを顔面にもらい一瞬、動きが止まったが、ひるまず、すぐに打ち返し、相手にペースを渡さなかった。
「ムキになって打ち合わないようにした。勝ちにこだわった」と大場。「ボクシングをしろ。打ち合うな」というセコンドからの指示を忠実に守り通した。勝利という結果だけを求め、持ち前のスピードを武器に三谷を翻弄。3-0の完勝で、中部地区のジム所属選手では91年の薬師寺保栄(元WBC世界バンタム級王者)以来17年ぶりの日本バンタム級王者が誕生した。
類いまれな才能に恵まれながら、どこか飄々としたスタイルが、これまでの持ち味でもあった。「今までは、やればいいんでしょという感じ。試合も練習も面白くなかった」と大場は話す。自分の意志で「頼むからやらせてください」と大島惇弘会長(64)に頭を下げて実現した2度目のタイトル戦だった。22戦目にして初めてボクシングと真っ正面から向き合い、そして結果を出した。
日本王者の先には、世界への道も広がる。試合後の大島会長は「(世界へは)まだ順序がある。もう少し攻撃が安定してから。あと2、3戦すれば方向性が見えてくるんじゃないか」と話した。試合後、ベルトを見つめながら「ベルトってこんなに重いんですね」とつぶやいた大場。才能にひたむきさを加え、覚醒した「天才」が世界への道を切り開いた。【上野竜一】
○…大場悲願のベルトは、大一スペースKジムにとっても待ち望んだ初タイトルだった。タイトル奪取に自信をみせていた同ジムの大島惇弘会長(64)は「残念。倒せなんだことがね(笑い)」と独特の表現で、喜んだ。注目の次戦について同会長は「本人と相談してからになる」と明言を避けたが、防衛戦を基本線に調整していくことになりそうだ。
◆大場浩平(おおば・こうへい)1984年(昭59)11月19日、名古屋市生まれ。菊井中1年の時にボクシングを始める。02年6月に1回KOでプロデビュー。03年にフライ級で全日本新人王を獲得し、技能賞にも輝いた。07年にスーパーフライ級からバンタム級に転向。身長168センチの右ボクサーファイター。戦績は21勝(10KO)1分け。
[2008年2月25日9時46分 紙面から]
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