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2007年中日日本シリーズ特集

8回完全、山井大一番で快投劇

中日山井は2回、セギノールを三振に仕留め、ほえる(撮影・浅見桂子)
中日山井は2回、セギノールを三振に仕留め、ほえる(撮影・浅見桂子)

<日本シリーズ:中日1-0日本ハム>◇第5戦◇1日◇ナゴヤドーム

 1人での完全試合を逃したも悔いはない。中日の山井大介投手(29)が8回終了後に降板するまで日本ハムをパーフェクトに抑える日本シリーズ新記録で、史上最長ブランクとなる53年ぶりの日本一を呼び込んだ。9回に守護神岩瀬にマウンドを譲ったが、笑顔で歓喜の瞬間を迎えた。クライマックスシリーズでは右肩痛などもあり登板機会がなかったが、大一番で最高の投球を見せた。

 自分から交代を申し出た。8回表終了のベンチ。山井は、日本シリーズ初の完全試合まであと1イニングに迫っていた。森バッテリーチーフコーチから「体力、握力はどうや?」と状態を聞かれた。29歳は、その瞬間に理解した。

 山井 個人の記録は、この試合に関して全然関係ない。最後は岩瀬さんに投げてほしかった。僕の方から「代わります」と言った。

 自分の名前を絶叫するファンの声を聞きながら、静かにベンチに腰かけた。

 奇跡のピッチングだった。中24日で今季のポストシーズン初登板となったが、打者24人をパーフェクト。「相手がダルビッシュだから3点以内に抑えたいと思った。最高です」。04年の日本シリーズで勝利を挙げているが、プロ6年で通算17勝。アマ時代を含めて無安打無得点試合の経験はない。

 エースの助けがあった。昨季は右肩痛で登板なし。2月のキャンプでも回復せず今季も開幕を2軍で迎えた。ファームの拠点・ナゴヤ球場で調整の日々…。そこに遠征に帯同せずに調整していた川上がいた。ある日突然、声をかけられた。「ちょっと行こうか」。

 2人きりで屋内練習場にこもった。同じ右肩痛に悩んできたエースから、負担がかからない投げ方のレッスンを受けた。体重移動、左足の踏み出し、股関節の使い方。川上は「痛くなるような投げ方をしていたから、言いました」。山井は「春先までの痛みは何だったのか。一番感謝しているのは憲伸さん」。7月からローテに入って今季は6勝を挙げて、復活した。

 しかしCS期間中に右肩痛が再発した。投げたくても投げられない日々。そして臨んだ日本一決定試合。落合監督も「今日の山井は完ぺきだった」とうなった。球史に残るシリーズ初の完全試合でなくとも、8回パーフェクトで“途中交代”という記録は永遠に残る。【益田一弘】

[2007年11月2日9時47分 紙面から]

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