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2007年中日日本シリーズ特集

初回で決めた!オレ竜地元Vへイッキ

【中日-日本ハム】ファンに手を振る落合博満監督(撮影・清水貴仁)
【中日-日本ハム】ファンに手を振る落合博満監督(撮影・清水貴仁)

<日本シリーズ:中日9-1日本ハム>◇第3戦◇30日◇ナゴヤドーム

 中日が7打数連続安打の日本シリーズ新記録の速攻で2連勝を飾った。初回、1死一、二塁でウッズの先制適時打を皮切りに犠打を挟んで7連打。一気の攻撃で勝負を決めた。初回7得点も58年の巨人以来となるシリーズタイ記録だ。シリーズ好調の中村紀が5打数連続安打、不振の4番ウッズもシリーズ初打点をマークするなど打線が爆発。日本ハムを圧倒した。53年ぶりの日本一を地元で決めるべく一気に突き進む。

 中日打線が本拠地・ナゴヤドームでいきなり爆発した。初回、1番荒木が死球で出塁すると、すかさず二盗。1死一、二塁から4番ウッズが強烈なゴロをセンター前へ弾き返した。主砲のシリーズ初打点は待望の先制打。これが怒とうの攻撃の合図だった。

 続く中村紀、李の連続タイムリーで武田勝をKOすると、もう止まらない。平田が左前へ、谷繁が中前へ、9番朝倉の犠打を挟んで荒木、井端の連打で一挙7点を奪い、2番手スウィーニーまでKOした。7打数連続安打はシリーズ史上初、初回7点はタイという記録ずくめの速攻で勝負を決めた。

 「選手がよく動いてくれている。こっちは流れを切らないように、選手の邪魔をしないようにベンチで見ているだけだ。シーズン中にはなかったことだな」。本拠地初戦を圧勝し、2勝1敗と勝ち越した落合監督は笑った。1点から2点、2点から3点へと重ねていく理想の流れ。これができずペナントレースでは何度も歯ぎしりした。特に後半戦は福留離脱が響いて“あと1点”が奪えない打線がV逸の最大の要因だった。

 「自由にのびのび」-。今シリーズの落合監督は何度も言葉を使う。第2戦まで犠打は1つもなかった。この日の初回に朝倉が決めたのが初めて。勢いと流れがすべての短期決戦。送りバントより盗塁、エンドランを選択してきた。クライマックスシリーズから初回に先制が4試合もあり、そのすべてに勝っているのは偶然ではない。この日の初回、荒木の盗塁からの猛攻は短期決戦モードのオレ竜野球を象徴していた。

 その裏には昨年の苦い経験もある。犠打を多用する手堅い野球でリーグを制したオレ竜は日本シリーズ第1戦でも3つの送りバントを決めて先勝した。だが第2戦、バントを2つ失敗して敗れた。打線への影響を恐れて第3戦からは犠打から強攻策に切り替えたが、打線は最後まで停滞し、1勝後の4連敗で日本一を逃がした。

 開幕戦黒星の後、連勝で勝ち越し。昨年と逆の野球で、逆の展開に持ち込んだ。きょう31日も勝てば53年ぶり日本一へ王手がかかる。本拠地での歓喜の瞬間も見えてきた。

 「それはみんなが願っていること。でも、まずは明日のことを考えて野球します」。指揮官は手ごたえ感じながらも感情をぐっと抑え込んで、第4戦を見据えた。【鈴木忠平】

[2007年10月31日9時50分 紙面から]

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