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丸刈りからの大逆襲!オレ竜無傷CS突破

- 日本シリーズ進出を決めた落合監督はファンの声援に手を上げて応える
<クライマックスシリーズ:巨人2-4中日>◇セ第2ステージ◇20日◇東京ドーム
オレ竜が無傷5連勝でクライマックスシリーズ(CS)を突破し、2年連続日本シリーズ進出を決めた。巨人との第2ステージ第3戦はウッズの3ランで逆転し、恐怖の8番打者・谷繁のソロアーチで突き放す会心の展開。先発中田が7回2/3を2失点と粘り、最後は3連投の岩瀬が締めた。リーグ優勝した巨人を完膚なきまでに叩きのめし、日本シリーズの相手は昨年と同じ日本ハム。V逸から丸刈りで出直した落合監督が、53年ぶり2度目の頂点まで一気に駆け上がる。
勝利の瞬間、胴上げはなかった。大歓声に一瞬、目が潤んだが、涙もこらえた。落合監督は帽子を取るとファンに深々と頭を下げた。V逸が決まった翌日、断髪した丸刈り頭はまだ伸びきっていなかった。みそぎとリベンジの意味を込めて3000円の「五分刈り」を注文したあの日からわずか17日後、きっちり借りを返した。3位阪神を2連勝でけ散らし、王者巨人を3連勝で粉砕。1度も立ち止まることなく史上初めてのCSを制覇した。
「ペナントレースに負けてから我々にはチャンスはここしかなかった。本当は優勝して迎えたかったですが、その悔しさの分だけ勝てたのだと思います」。
王手をかけて迎えた第3戦、落合監督は動いた。3-2とリードした4回、顔面付近の投球に怒りを見せた巨人李にウッズが挑みかかろうとするとベンチを飛び出した。乱闘寸前の雰囲気の中、険しい表情で相手をベンチに下がらせた。ウッズに歩み寄り「落ち着け」となだめた。帰り際には谷繁に「熱くなるな」と耳打ちした。
短期決戦で、さい配も切り替えた。「阪神、巨人とだと今の戦力では分が悪い。長引かせたくなかった。きょう勝つことだけを考えた」。ペナントレースでは開幕前に最終戦までシミュレーションするほど慎重な指揮官が「静」から「動」に変わった。先を考えるより、目の前の戦いに没頭した。2点リードの8回途中で好投中田から3連投の岩瀬にスイッチ。シーズンでは考えられない起用で勝負をかけた。
その分、球場を離れればリラックスに徹して野球勘を研ぎ澄ました。第2ステージ開幕前日には好きな俳優ジョン・ウェイン主演の映画をまとめ買い。「西部劇の王様」がつかの間、野球を忘れさせてくれた。
昨年、セ・リーグ初のプレーオフ導入案が持ち上がった時に真っ先に異を唱えたのが落合監督だ。「140試合以上戦ってきたものを、たったの何試合かでひっくり返すのか!」。この声がきっかけとなりCSはあくまで日本シリーズ進出を決めるものと決まった。
その一方で導入が決まった後はこう誓った。「オレは決まったことには従う。やるからには勝たないといけない。勝負事は勝たなきゃな!」。わずかの差で最大の目標だった連覇を逃したが、V逸決定翌日の10月3日に頭を丸めるとすぐCSへ気持ちを切り替えた。
「あくまでセ・リーグ優勝チームはジャイアンツ。我々はセ・リーグ代表としてファイターズと戦いたい」。優勝なき日本シリーズ進出にはビールかけもなかった。記者会見もなかった。史上初のCS制覇もあくまで通過点-。札幌で待つ日本ハムに昨年のリベンジを果たし、球団史上53年ぶりの日本一を達成した瞬間に、初めて歓喜が訪れる。【鈴木忠平】
[2007年10月21日9時50分 紙面から]
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