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ノリ決勝打!オレ竜逆転で連敗止めた

- 中日中村紀は7回、左前適時打を放ち川相コーチと歓喜のグータッチ
<ヤクルト4-5中日>◇28日◇神宮
中日が粘りの逆転勝ちで連敗から脱出した。立ち上がりに先発小笠原が捕まり序盤で4点のビハインドとなったが、4回に谷繁の4号2ランで反撃のノロシを上げると、3-4の7回には森野、中村紀の連続タイムリーで逆転に成功。最後は不振に悩む守護神・岩瀬が締めくくった。6回に登板したクルスは、来日初勝利。福留不在のピンチで、ベンチが一丸とって勝利をつかみ取った。
獲物を狙う鋭い目つきだった。中村紀は、殺気さえ帯びた視線でマウンド上の吉川をにらみつけた。7回、同点に追いつきなお2死一、二塁の打席。5球目のやや中に入った122キロのスライダーを逃さない。三遊間をきれいに割る勝ち越しタイムリー。一塁ベース上で両拳を握り締めて、ほえた。
「何としても打ちたかった。1番最後に甘いボールがきた。いいタイミングで打てたと思う」。
帰りの通路では充実感を漂わせた。早々と4点をリードされる苦しい展開。4回に右前打で出塁し、谷繁の4号2ランの呼び水になった。2打数2安打3四球と全打席出塁。打席で、守備で、塁上で、体を張り続けた。
「おれ、もう引退やな」。思わず弱音を吐いたのは、7月15日阪神戦の後だった。故障以外では移籍後初めてスタメンを外れた。2日前から落合監督の指導で10年以上続けてきたバットのグリップエンドにテーピングを巻くことをやめていた。2年目の柳田に先発を奪われた事実と、慣れないバット感触にしびれる腕。だが歯を食いしばって「恩人」の忠告を守った。新バットの使用を始めた9試合で29打数13安打、打率4割4分8厘。打率も2割9分9厘と3割目前に迫って「(1厘)足らずやね。でも勝てばいい」と笑った。
その中村紀が敬意を評したのが、同点タイムリーの5番森野だった。勝ち越し打の直前、5つ年下の5番打者は29歳の誕生日を自ら祝う同点タイムリーを放った。ウッズが敬遠されただけに「いつもタイロンが歩かされるので意地でも打ってやろうと強い気持ちで行った」と胸を張る一打。1点リードの9回無死2塁では一塁から猛ダッシュ。鋭いバント処理で走者を三塁で殺す好プレーを見せた。攻守にわたる活躍に、中村紀は「(森野は)誕生日やったし、いいプレーをしていた」と自分のヒーローインタビューを辞退して、森野に晴れ舞台を譲った。
4点差をひっくり返す鮮やかな逆転で、後半戦開幕から続いた連敗を「4」でストップ。巨人とのゲーム差も「1」に縮めた。落合監督は「野球は1つ勝つのはたいへんなんだ。これがきっかけになる? それはあいつら(選手)が一番わかっているんじゃないか」とニヤリ笑った。中村紀は「1つ勝つのは難しいね。明日もこの流れでいきたい」。福留の離脱で苦しい台所事情は変わらないが、オレ竜が後半戦最初の暗いトンネルをくぐりぬけた。【益田一弘】
[2007年7月29日10時0分 紙面から]
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