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新外国人・李が逆転呼ぶ二塁打

<中日7-3ヤクルト>◇30日◇ナゴヤドーム

 静寂を破る一撃だった。中日の新外国人、5番李炳圭(32=韓国LG)が、木田の直球をたたいた。2-3の8回裏二死走者なし。来日初安打は左中間フェンス直撃の二塁打。あと20センチで同点ホームランという痛烈な当たりだった。4番ウッズの併殺打でしぼみかけた反撃ムードにもう1度火をつけ、この回大量5点の猛攻を呼び込んだ。

 「いいところで打てて気分がいいです」。

 1月末の来日からめったに自画自賛しない誇り高い男が、素直に喜びを表した。オープン戦では打率2割4厘と低迷。開幕直前の横浜戦で2試合連続マルチ安打を記録したが、日本野球への対応に苦しんでいた。この日は5番中堅でスタメンしたが、外角の変化球に手が出ずに3打数2三振と凡退していた。そんなうっ憤を晴らすように、開幕戦でチームにカツを入れる二塁打を放った。

 クールな外見の下に、野球への情熱を隠し持つ。相手投手の癖を学ぶために休みの日はDVDで研究。出場予定のないオープン戦でもベンチに顔を出して、相手投手を観察した。グラウンド外でも日本に慣れるため、自分でタクシーを呼んでたった1人で自宅に帰る。関係者に子どもが生まれれば、出産祝いにベビーカーを贈るなど、細やかな気遣いもしている。すべては日本という新しい環境に慣れるため。落合監督も「李がセンターをできるから(1軍野手)16人のメンバーが組めるんだ」と、その実力を高く評価している。

 開幕戦は5番だったが、オープン戦では1番でも起用された。この日、披露したパンチ力がコンスタントに発揮できれば、李の存在は他球団にとって頭痛の種になる。中日を53年ぶりの日本一に導く使者が、本拠地で上々のスタートを切った。【益田一弘】

[2007年3月31日9時55分 紙面から]

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