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支配下枠グイッ、ノリ合流即1発

- 中村紀は7回、左翼席にソロ本塁打を放つ(撮影・浅見桂子)
<中日3-5西武>◇7日◇ナゴヤドーム
中日の育成選手・中村紀洋内野手(33)が1軍デビュー戦でいきなりオープン戦1号を放ち、支配下選手登録に大きく前進した。「6番一塁」でフル出場。7回の第3打席に、岡本から左翼最前列に飛び込む本塁打を放った。6日の実行委員会で育成選手のオープン戦出場が可能とルール変更され、即1軍合流。いきなり結果を残し、残り1席となった70人枠入りが見えてきた。
夢中で走った。2打席凡退で迎えた7回の第3打席。岡本の真ん中高め134キロ直球をフルスイングで叩いたが心もとない。中村紀は二塁手前で、フェンス奥に跳ね返ってグラウンドに落ちたボールを見たが、本塁打かどうか分からなかった。周囲を見渡し、ようやく確認すると少し照れ笑いした。
「ちょっと詰まったのでフェンスに当たったかと思った。初戦でホームランが打てて今日は大きな1日になった。わずかでも結果を残さないと生き残れない」。役者が違った。合流即1発回答。広島宮本スコアラー部長は「やっぱりすごい。ヒットじゃなく本塁打で結果を出す。これが実績のある選手」とうなった。
試合後、中村紀は「異様な緊張感でやっています」と疲れ果てていた。無理もない。6日に突然、1軍合流の指示を受け、家族に電話で報告すると「えっ」と絶句されたという。「理解できないという感じだった。まあ僕もえっ、と思ったしね」。家族を呼ぶひまもなく朝を迎えた。
練習開始1時間30分前の午前8時30分にナゴヤドームに到着。地下駐車場の入り口が開いておらず、タクシーの車内で立ち往生した。気を取り直し、控室ではナインにあいさつ。04年アテネ五輪で同僚だった福留に「どなたですか? ここで何しているんですか?」と軽口を飛ばされる場面もあった。
「6番一塁」は試合20分前に伝えられた。「スタメンと言われてまた緊張した。どうしようかなと思った」。第1打席は見逃し三振で天を仰いだ。第2打席は高めのボール球を「大根切り」して三ゴロ。一塁の守備も必死でこなした。そんな姿に、古巣オリックスの依田スコアラーは「必死こいてやってるな。一生懸命、体を伸ばして捕球している」と目を細めた。
「今は(近鉄で)1軍の試合に出たてのころ、レギュラーを取るか取らないかというころの鬼気迫る気持ちでやっています」。00年シドニー五輪では日本代表の4番を務めた男が、20歳だった94年のころを思い出している。「まだまだ勝負の日が続く。支配下選手になれるように。試合に出していただけるならどこでもやりたい」。ギラついた目で話した。【益田一弘】
[2007年3月8日9時47分 紙面から]
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