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竜のノリ、因縁相手に1安打デビュー

- 球場入りすると、旧友のローズ(左)と抱き合う中日中村紀(撮影・山岸満)
中日と育成選手契約を交わした中村紀洋内野手(33=オリックス)が2日、大フィーバーの中で「中日デビュー」を飾った。ウエスタン教育リーグ、サーパス戦(神戸サブ)で背番号「205」のユニホームを身にまとって「5番三塁」で先発出場。7回の第4打席で中前打を放つなど2打数1安打2四球とまずまずの結果を出した。球場には平日の教育リーグとしては異例となる観客1000人、報道陣100人が詰め掛けた“ノリフィーバー”の中で再スタートを切った。
数々の修羅場をくぐり抜けてきた中村紀が震えていた。2回の第1打席。ストライク、ファウルしていきなり追い込まれた。それでも何とか粘る。通算319発のスラッガーが格下のサーパス2年目左腕・中山を相手に必死の形相でボールを見極め、ストライクはカット。何とか四球で歩いた。「久しぶりにめっちゃビビりました。初めてオープン戦に出た時みたいでした」。豪快な男も極限の精神状態で打席に入っていた。
試合前、この日届いたばかりの背番号「205」の入ったユニホームにソデを通した。「ようやくまたユニホームが着られる…。そんな場合ではないと分かっているんですけど、泣きそうになしましたね」。スタンドには浩子夫人(35)の姿もあった。心配してくれた家族にもう1度ユニホーム姿を見せられた。契約がこじれて自由契約となった古巣相手にも「意識はしませんでした」。因縁という思いは包み隠した。
試合前から球場はフィーバー状態だった。平日の教育リーグにもかかわらず、球場には1000人の観衆と100人の報道陣が殺到。打席に入るたびに大きな声援が飛んだ。三塁ベンチの上には「ノリ選手、中日でもフルスイング!」の横断幕もあった。球場入り後には近鉄時代に8年間をともに過ごしたローズと握手して抱擁。バットを交換した。つかの間の“同窓会”を楽しんだ。ケジメをつけて試合に臨んだ。
7回の第4打席で阿部健の直球をフルスイングで中前に弾き返して、移籍初安打。「1本出てホッとしました。今の状態の自分のベストのスイングが出来たと思います」。中村紀は笑顔で話した。この日は2打数1安打2四球の5割。結果を求めてファウルで必死に粘る姿も今の中村紀らしくていい。「今日からがスタートだと思っています」。支配下選手昇格へ、かつての栄光を捨てた男が新たな1歩を記した。【伊藤馨一】
[2007年3月3日9時45分 紙面から]
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