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ノリ年俸400万円、部屋なし再出発

中日と育成選手契約を交わした中村紀は深々と頭を下げる。左は西川球団社長
中日と育成選手契約を交わした中村紀は深々と頭を下げる。左は西川球団社長

 前オリックス中村紀洋内野手(33)が、ないないずくしで再スタートを切る。25日、昨季の2億円の50分の1となる年俸400万円で中日と育成選手契約を交わした。「野球小僧として頑張りたい」と残り1つの支配下選手枠に入り、1軍出場を目指す意気込みを語った。背番号は「205」。お金も名古屋での住む部屋もないまま、中日の2軍で猛アピールを続ける覚悟を固めた。

 中村紀の出直す場所が決まった。15日から10日間受けていた中日の入団テストに合格し、育成選手として入団が決定。「やっとユニホームを着られるだけでうれしい。野球小僧として頑張りたい」と意気込んだ。

 野球を続けることができるという晴れやかな顔の裏側には、ないないずくしの苦難が待ち受けている。年俸は昨年の2億円の50分の1の400万円。中村紀は「お金じゃないですから」と殊勝に話したが「税金が心配で…。貯え、ないですよ。何が何でも1軍に上がらないといけない」と本音も漏らした。所得税は昨季年俸の2億円をベースにその40%程度となる見込み。2軍で結果を残して支配下選手契約を勝ち取り、1軍に昇格できなければ“極貧生活”から脱出できない。

 契約に出来高はない。オリックスとの交渉がこじれた反省から、すでに代理人の茂木立仁弁護士(39)との関係を解消。テスト中に「契約は自分が1人でやります。誰かに任せるということはないです」と話していたように、この日は北谷球場で西川社長と話して潔く統一契約書にサイン。付帯条件は一切、要求しなかったという。つまり、1軍最低年俸の1500万円が中村紀が受け取ることのできる上限となる。

 “住居問題”も頭が痛い。今後は兵庫・芦屋の自宅を離れて単身赴任を予定しているだけに、ひとまず名古屋市内の合宿所に入ることを想定していた。だが、現時点で「昇竜館」は満室で空き部屋はない。33歳の中村紀は「パッと考えたのは寮だけど…。満室? うそ。部屋ないの? 痛いなあ」と頭を抱えた。

 背番号は205。「今まで5番だっただろう」という落合監督の意見で決まった。中日の育成選手は200番台が慣例。下1ケタの「5」は落合監督の指導を受けて132打点で打点王に輝くなどした近鉄時代に、背負っていた番号だ。この日、ぎこちなく205の文字をサインした中村紀は「慣れてないのでね」と苦笑いした。

 中村紀は、落合監督からは「2軍で成績を残して、何とかはい上がってくれ」と声をかけられたという。「これからが勝負だと思います。あとは僕自身が結果を出すこと。アピールを続けたい」。02年から3年連続で年俸5億円を稼いでいた男が、400万円で再出発。裸一貫、2軍で汗にまみれる。【益田一弘】

 ◆育成選手と支配下選手の違い

 育成選手は1軍の試合に出場することはできないが、1球団5人に限り2軍戦に出場できる。だが、ジュニアオールスター、ファーム選手権には出場できないなど、制約もある。6月末までに身分を支配下選手に変更することは可能。最低年俸は240万円。入団3年後、支配下選手として契約されない場合は自由契約となる。背番号は100番以降(中日は200番台)を使用することが決まっている。一方、支配下選手には育成選手のような試合の出場制限はない。最低年俸は440万円。出場選手登録(1軍登録)された選手は1500万円となる。これに満たない選手は、日割りで差額分が支払われる。

[2007年2月26日9時44分 紙面から]

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